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東北大学大学院理学研究科物理学専攻

素粒子実験グループ(高エネルギー物理学)

高エネルギーで電子と陽電子を衝突させると、B中間子などの重い粒子が生成され、将来には、質量の起源であるヒッグス粒子、そしてまったく新しい理論を示唆するかもしれない粒子などが生成される可能性がある。

粒子・反粒子の間のCP 対称性の破れは、35年前にK中間子の崩壊において発見されたが、このCP 対称性の破れは小林・益川らによる理論によって素粒子の標準模型の枠内で説明され、重いb クォークを含むB 粒子においてもCP 対称性の破れがあることが予言されていた。

この理論を検証すべく、高エネルギー加速器研究機構(KEK)において多量のB粒子・反B 粒子を生成する電子・陽電子衝突型加速器(B ファクトリー)が建設され、現在世界最大強度を誇っている。この施設において現在B粒子・反B 粒子の崩壊の差(CP の破れ)を詳しく観測・測定することを目的としてBELLE実験が進行中であり、すでにB 粒子において小林・益川理論の予言した通りのCP対称性の破れが発見された。

現在ビームの強度をさらに強くし、より多くのB粒子を生成し、より精密な測定のために新にBelle2計画が進行中である。

本学グループはこの実験でミュー中間子検出器を建設し、衝突点近傍の設計製作を行って衝突点の極近くで荷電粒子の飛跡を測る事に成功した。物理解析においても、本学グループは当初のCP対称性の破れの発見においてもミュー中間子を使った解析で大きな役割を果たし、現在も小林・益川理論の他の予言を検証すべく解析を進めている。また、B 粒子と同様にタウレプトン粒子も多量に生成されそれに関する多くの研究課題も山積みされている。